型屋の仕事は、大きく3つに分けられます。
①原型をつくる|②ケースをつくる
|③使用型をつくる
この3つは、それぞれ性質もちがって、
面白さがあります。
石膏を削ったり盛ったりして、原型をつくる仕事。これは、ものを生み出す工程として、とても面白みがあります。2次元の図面を、3次元に起こす、人の手にする形を、一番最初に創る、とても重要で、 仕事。緊張感もありますが、やりがいのある仕事です。
その後、ケースをつくって使用型をつくるわけですが、 型をつくって、抜く作業というのは、本能的な興奮を覚える、とても不思議な仕事です。 型から何か形が抜ける瞬間というのは、なんというか、頭の裏側がふわ〜と気持ちよくなります。 ある種、病みつきになる(笑)。その瞬間がたまらず、この仕事を続けています。
型屋というのは、陶業を裏で支える仕事です。
型がなければ、量産陶器はつくれません。
決して華やかな仕事ではありませんが、陶業を支えている自負と誇りは、
いつも感じて仕事をしています。
そしてそんな自負と誇りを、産地の技術とともに、 未来に引き継いでいかないといけないと思っています。
だからこそ、もっと型屋の仕事を伝えたいと思っています。
型屋の業界も、高齢化が進んでいます。
50代以下の型屋は、10軒を切りました。
他産地の仕事もいまはやっていて、このままいくと、ほんとに日本で焼き物がつくられなくなるんじゃないかと不安になります。だからこそ、この仕事の面白いさ、楽しさ、やりがいを伝えたい。型屋なのに、石膏遊びの商品もつくりました。アロマストーンなんかも開発しています。工場を解放してみなさんにみてもらう、オープンファクトリという企画もはじめました。
また、土岐市の美濃焼振興事業のひとつで「とっとき」という団体があります。美濃焼の価値向上をめざして、さまざまなことに取り組んでいますが、こちらにも参加し、美濃焼の価値向上に取り組んでいます。さらにこれから、美濃焼を世界に発信するセラミックバレー構想にも参画していきます。もっともっと、型屋のことを伝えていきたい。地域の子どもたちにも知ってもらいたい。
もちろん、本業の技術を磨き続けることは、当たり前に取り組みながら、陶業を未来につなげていくために、まだまだやれることを山ほどあります。ひとつひとつ、しっかりと取り組んでいきたいと思っています。