私たちの仕事は、けっして派手ではありません。
商品をつくっているわけではないから、脚光を浴びることも正直少ない。
でも窯業を支えている自負とプライドは、しっかりと持っています。近年、日本の製造業の苦境が取り沙汰されています。「原料業者が廃業する」「道具を創る職人さんは最後の1人」 そんな話を聞くと、またか、と思う。それくらい、日本のものづくりは、難しいと思われている。
でも私は、ものづくりの現場に身を置きながら、そんなことはないんじゃないか、まだまだポテンシャルは高いんじゃないかと 心の底から思っています。
もっともっと、できることはたくさんあって、 いろいろな状況や現実の前で、その一歩が踏み出すことが、難しいと思っているだけなんじゃないか。
実際私もそう思っていました。
でもあるきっかけがあって、一歩踏み出したら、違う景色が見えてきて、一歩踏み出すことが面白くなった。その面白さに、小さな一歩を踏み出し続けている、いまそんな状態です。
窯業の中では上流工程。最終製品じゃない私達の仕事は、知らない人も多いですが、だからこそ、私たちは伝えていきたいと思う。この、型屋という仕事のおもしろさ、楽しさ、そして素晴らしさを、 しっかりと伝えていきたい。
そして美濃焼産地の土岐市の資産として、 この技術をきちんと繋いでいきたい。
そんなふうに、考えています。